明日
まだなんかしようとか思ってんのか?
くそ、くそくそ!
もう何もかもめちゃくちゃだ!!
俺は意を決して、何も喋ろうとしない恭治を睨みつけながら言葉を喉から押し出した。
「…何だよ」
わざわざ喧嘩を売る俺は今までじゃ信じられない程馬鹿に思える。
もう何もかも壊れた俺には刃向かう事しか残っていなかったのだろうか?
さっきまで震えていた手が嘘のように止まっていた。
恭治はぐっと俺の顔を見据えると、一歩前へと出た。
殴られる…。
俺は目を瞑ると、俺の体に衝撃が来るのを待った。
だけどいっこうにこない痛みに俺は不思議に思った。
おかしい…。
何でこいつ、殴らねぇーんだ?
俺は恐る恐る目を開くと、黙ったまま俺を見下ろす恭治の目と不覚にも合ってしまった。
蛇に見込まれた蛙。
まさにこの言葉が合う。
引き返せない。