あたしの愛、幾らで買いますか?
結局、あたし達は

抱き合う事もせずに、それぞれ

家路についた。

と言っても、あたしは

彼に家まで送ってもらったけれど。


バタンと助手席のドアを閉め、

フラフラと歩きながら

アパートの階段を上る。


あたし、

朔羅から、お金受け取らないと

傍に居られないんだ…


そんな事を思ったら涙が溢れてきた。

溢れ出た涙を零さないように、

家に入り、部屋へ向かう。

居間代わりにしている部屋には

ほろ酔いの父親と

テレビを観て洗濯物をたたんでいる

母が居た。


「おかえり」


母が言った言葉は

あたしの耳に入ってこなかった。



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