これは、事実
周りのみんなが手拍子し始める。それに合わせて卒業生は退場し始めた。
私も慌てて手拍子に参加する。
そのとき。
「………!!」
私は見つけた。
「早瀬川先輩…」
無事だった。
生きていた……!
「…………ッ」
それだけで泣きそうだった。
でもまだ。
告白しなければ。
思いを伝えるんだ。
過去の自分にケジメをつけるため。
新しい恋に進むために……。
いつの間にか卒業生は全員退場していた。
「1、2年!早く後片付けして3年の帰りに間に合わせるぞ!」
後片付け。
安藤ちゃんもがんばって指示しながら働いてる。
私もがんばらなきゃ。
「遥!早瀬川先輩いた?」
途中、和子が話しかけてきた。
「……うん。さっき、見つけた」
「そっか、よかったね!告白、がんばりなよ?」
「うん…!」
友人に後押しされて、勇気がでた。
やっぱりちょっとは不安だったけど…。
私、がんばるから…!
「あ、終わったみたいだよ、後片付け……ついに告白、だね」
「そうだね…」
「もー!なんで私が緊張しなきゃいけないのよ!私が告るんじゃないのに……」
「はは…」
バシッと和子が私の背中を叩く。
「…がんばってね」
それが、私の友人の最後の一押し。
私は、走り出した。
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