トライアングル

【side 啌】


合宿14日目。

合宿最後の日だ。

結局、俺は今日まで自分の気持ちを公香に伝えられてないんだ。


今日こそはっ――って思ってた。

そして、塾長が昼までに授業を終わらせてくれた時
これは、見兼ねた神様が俺にくれた最後のチャンスだと思った。


だから、あの後……俺は公香の部屋に行ったんだ。


そして、出てきた
公香の友達、川島 美香子に言われた言葉。

それを聞いた瞬間、俺は絶句した。

そして脳裏に浮かんだひとつの予感。


――――公香が危ない。


俺は気付くと、走りだしていた。


どこに?

そんなの知るか。
ただ、俺は探し続けた。

何十階もあるこの旅館の中、全てを探すなんて常識的に言えば無理だ。


だけど、川島 美奈子から聞いた言葉。


それは、俺の予感を的中させる以外の何物でもなかった。


『えっ?公香?
岩波君に呼ばれたからって、お昼も食べずに出掛けてったけど?』



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