トライアングル

遠ざかってゆく存在


【side 知里】


「ほらぁ、知里!いつまで寝てんの!遅刻するわよ」

お母さんはずっと呆れたような口調で、うちの事を揺すりながら言う。


「もぉ、ほっといてよー!うちにだって、色々あるんだからぁ」


何度も起こすお母さんにうちは逆ギレをして、布団を深くかぶりなおした。


そしたら、お母さんは堪忍したのか、学校には連絡しとくからねと言い部屋を出ていった。



「はぁー…今日で3日目だよ………」


あの日。
竜斗と別れたあの日から、もう3日も学校を休んでる。



わかってる。
わかってるんだよ。


こんな事しても何にもならない。
こうすればするぼど、竜斗に会いにくくなるだけだって事くらい。


公香や真由に心配かけてるだけだって事くらい。


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