恋の家庭教師

私は咲坂くんを見つめ、
蓮くんも咲坂くんを見つめ、
咲坂くんは蓮くんを見つめてた。

しばらく沈黙が続いた…――。

それを破ったのは咲坂くんだった。


「…風邪に効くの色々買ってきたけど…大丈夫か?熱ないのか?」

責めたりせず、
心配そうな笑顔で聞いてきた。


…なんでそんなに笑顔なの…?

逆にその優しさが苦しいよ。




そんな咲坂くんを見ると…自分の不甲斐なさに気づいた。


…ほんとのこと言わないとダメだよ、自分…。
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