恋の家庭教師
「…私嘘ついてたんだ…咲坂くんにも、蓮くんにも。」
蓮くんは冷静に、
咲坂くんは笑顔で、
私の目を見て聞こうとしてくれた。
二人とも優しんだね…。
「あの…実は私風邪ひいてないの。一人で留守番するのが寂しくて家庭教師の蓮くんを昨日の夜呼んで…今までずっと一緒にいた…ほんっとにごめん。」
俯いてた顔をゆっくり上げ咲坂くんを見ると、落ち着いた笑顔で私を見ていた。
「よかったー」
「え…?」
「正直に言ってくれたし、ちゃんと自分自身の気持ちに素直になってくれたから、俺はそれだけで満足。」
と、言いながら咲坂くんはにっこり微笑んだ。
…――ポタッ
涙が…止まらないよ…。
「ちょっ!泣くなよ!俺だって悲しいのに我慢してんだからー!」
咲坂くんは複雑だけど…ずっと表情は笑顔だった。