ただ君が好きで
ーーー。
急いで校門に向かう。
すると、校門で女子に囲まれている男子が目に入った。
長い足に真っ黒な髪。
綺麗な二重で何より、整った顔立ち。
…海斗だ。
「あっ雪菜!」
海斗はあたしに気づくと、キラキラした笑顔で手を振ってきた。
…おっと
周りの女子の視線が怖い…
「…海斗、待たせてごめんね」
「気にしなくていいよ」
…海斗くん、王子様スマイルってやつをしないで。
笑顔振りまかないで。
すべてがあたしに恨みの視線となって返ってきます…。
でも海斗はそんなあたしの心の叫びに気付いてないみたいで…
「雪菜っ会いたかったよ…」
周りの目も気にせずあたしを思いっきり抱きしめた。