歩む道
「心配して来てみたんだよ。ドアの鍵あいてるしよ。」
「…ありがと…。」
隣に座る彼にそうつぶやいて無言になってしまう私。
「なあ、シオン。お前うなされてたけど…悪い夢でもみたのか?」
私は彼の言葉に小さく頷いた。
そして思い出したため、あの怖さが私をまた襲う。
ヒックッ。
気がつけば私の目からは涙が溢れていて…。
「あれ、止まらない…よ…。」
そうつぶやいて必死にこらえるがいっこうにおさまらない。
フワッー。
優しい匂いが漂う。
我に返ると私はユウの腕のなかにいて…。
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