孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
○月×日。

コンコン。

『太陽がさんさんと降り注いでいる下、みんな楽しそうに鬼ごっこをして遊んでいるよ』

――わたしはほかの子と混ざるのが怖いよ。鬼ごっこだなんて足の遅いわたしにはできっこないし。



視線を落とすと、わたしの分身と目が合った。

真っ黒な顔をした、のっぺらぼうのわたし。

わたしと同じように動くのに、よく見るとわたしより小さい。

この分身は『影』という名前だと知ったけれど、何だかおかしな気持ちだ。



『大丈夫。無理にみんなと一緒に遊ぶ必要はないよ。それに、話し相手はちゃんといるから、ここに』

――うん、ありがとう。



額から頬にかけて熱い滴が伝ってゆく。

本当に、陽光が強い。

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