初めての恋
学祭が始まった。


麗のクラスの出し物は、面白紙芝居。


麗は色塗り担当だった。歩美は、飛び出す絵本の要領で仕掛けを作った。


歩美は、あれ以来忙しいのもあり、透の事に触れてこなかった。


学祭が始まり楽しんでいると、歩美が話し出した。


「ね~麗。透君の好きな人って…麗じゃない?」


ドキッとした麗の表情を、歩美はみのがさながった。


「なっ何でそう思うの?」


「だって~何人かの女子が透君に告ったけど、答はずっと好きな子いるから…なんだって。ずっと…って言ったら麗?かなって思わない」


「……」


「まぁ、麗なら応援するよ。麗に負けたならあきらめられるし」


「……」


「さぁ~次行こう!」

歩美の掛け声で、気持ちは学祭に向けられた。


中学生活最大イベント、学校祭が終わった。

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