嫌いなあいつは婚約者
「酒井さんさ、どうしてお嬢様なのにこんな学校に来たのー?」
女の子たちがニヤニヤしながら聞く。
きっと私が悪いことして追い出されたと思ってるんだ。
少しイラッとしながらも、私は答える。
「お父さんの都合で。……ここにも、一昨日引っ越してきたばかりなんです。」
微笑むと、バツの悪そうな顔をして、他の女子とアイコンタクトをとるその子。
あの子が女子のリーダー格かなーと考えていると、ガラッと教室の後ろのドアが開いた。
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