虹が見えたら
由起子といっしょに寮へもどったなるみは、由起子といっしょに管理人室へ行った。
由起子は生徒会室に申し入れがあったとおり、マネージャー募集の話を真樹に説明した。
「なるほど、事情はわかったけど、なるみ以外のマネージャーはいつ来るのかな?
女の子ひとりは許可できないな。」
「それは大丈夫です。臨時マネージャーですから、生徒会からも出します。
いちおう2名確約もらってますから。」
「わかった。そういうことなら、試合が終わるまでということで許可しよう。
それじゃアルバイトはその間・・・」
「あ、そのままでいいです。
朝練は無理しなくていいって、言われましたから。」
「じゃ、そういうことで。」
由起子といっしょに部屋へもどろうとしたなるみだったが、真樹に腕をひっぱられて引きもどされた。
「なるみちゃん、朝練は無理しなくていいって誰が言ったの?」
「だから、サッカー部の高倉くんが・・・」
「ふ~~~~ん。女生徒に人気だという高倉くんだね。」
「え、どうして高倉くんのこと?」
「女子寮なんでね、いろいろと噂話はつきないというか、外に出ていればお話して言ってくれる子は多いんでね。
なるみちゃんは最近、ぜんぜん寄りついてくれないみたいなんだけど。」
「ほら、とくに用事もないのに、管理人室に出入りばかりするわけにもいかないでしょう。
節度ある生活しなきゃ・・・」
「保護者と話をするのは不純だとなるみちゃんは思っているんだ。」
「え、それは・・・べつに・・・そんな意味じゃなくて、えと、真樹さんは寮生の間でも人気あるし・・・。私がここに来ると目立っちゃうし。」
「サッカー部の部室に行くのは目立たないっていうのかな。」
「も、もしかしてマネージャーの話、ダメっていいたいんですか?」
「いいや。寮長の頼みだし、困っている部を助けてあげるのはいいことだと思うよ。
僕はなるみが寄りついてくれないのがさびしいなと思ってるだけ。」