ハルオレ☆ -後篇-

part3 残酷と言う名の想い



それから時は経ち、放課後となった。







「ねぇ、遥。観奈見てない?」







ちょうど帰ろうと教室から出ようとすると、彼方が廊下にいて俺に話しかけてきた。







「あっ、さっき“学校の部活見学行ってくるー”ってクラスの子達と出て行ったよ。」







先ほど観奈が楽しそうにクラスメイトと共に教室を出て行ったところを目撃したのを思い出し俺がそう言うと、







「そう。ったく、勝手にどこか行くなってあれだけ言ったのに…。」







呆れながら『しかたない。探しに行くか。』と彼方は俺に背中を見せた。







その瞬間。








「とか言いつつ顔が嬉しそうですよ、腹黒王子。」







俺のちょうどななめ後ろに潜んでいた西川さんがニヤニヤしながらヤジを飛ばした。







「ふん、うるさいな。」







彼方は西川さんをギロっと睨み、一瞥するとさっさと教室を出て行った。







彼方がいなくなると、







「ねぇ、西川さん。」







「なんですか?」








前から気になっていたけど、今日、特に気になったことがあった。








「観奈が学校に来てから彼方、観奈にしか目がいってないというか過保護というか…なんかすごいよね?」







そう。
彼方の観奈に対する過保護の異常さ。








寮に居るときはいつも一緒に居るからそんなに気にはならず、『彼女の事大切にしているなぁ』と感心するくらいしかなかったけど。

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