勿忘草-時をこえた思い
その人は夢にでてきた彼にそっくりだったのだ。
「あの…」
「えっ!な、なんでしょう?」
「俺の顔になんかついてますか?」
どうやら、私は長い間彼を見つめていたようだ。
「い、いえ…なんでもないです。ところで、なんの用ですか?」
「あっ、そうだった。川原の上にある自転車あなたのですよねぇ?」
「はい…そうですが…」
変な質問に戸惑いながらも私は答えた。
「なんか、壊れていましたよ。」
「えっ…」
彼の言葉に私は固まってしまった。
「なんか、盗もうとしたけど失敗したみたいな壊されかたでした。」
その言葉を聞いて私は自転車のほうへ駆け出した。
彼と本をのこして…