流星ラジオ



「…何、これ…」


そして、彼は消えたのだ。

いつ書いたのか、いつ戻ってきたのか。
机の上には一枚の手紙があった。


謝れなかった。
何も言えなかった。

たくさんの後悔に蝕まれたその記憶は、他のどの思い出よりも鮮明に羽美の中に残っている。

居座ったまま、離れようとしてくれない。


当たり前だ、離したくないのだから。

再会したら一番に「ごめんなさい」と謝りたいのだから。


その願いが叶うまでは、この後悔を忘れてはいけない。


***


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