流星ラジオ
だから、彼が帰ってきたら素直になろうと。
ちゃんと頭を下げて謝ろうと思っていた。
彼に機嫌を直してもらうため、シチューの材料も買ってきた。
けれどどれだけ時間が経っても、彼は帰ってこない。
「遅い、なぁ…」
時間が経てば経つほど募る不安と罪悪感。
今まで一度もこんなことはなかった。
普段はもっと素直に謝れたし、もっと素直に許せた。
海月が帰ってきたら一緒に食べられるよう準備したシチューは、鍋の中で少しずつ温度を下げていく。
立ち上っていた湯気はもう無い。
机に伏せたまま夢の中へ旅立っていったのはいつのことだったろう。
日付はとっくに変わっていたと思う。