月物語 ~黒き者たちの宴~
自分の決断に迷いはない。
間違っているつもりもないが、負の念にかられてしまう。
ふっ、と笑いが込み上げてくる。
自分に対する笑いなのか、平当に対する笑いなのか、礼にはわからない。
平当はとことん逆らってくる。
だから、勅命を下した時の絶望的な顔は、気持ちがよかった。
だが、何故だろう。
後悔のような痼りが残った。
いや、これが後悔なのかは礼には判断できない。
苛立った。