月物語 ~黒き者たちの宴~



弟が満足するまで、その日は一緒にいた。



この弟をどれほど憎んだか。



それでも、弟が出て行こうとするまで、追い出しはしなかった。



もう、後戻りはできない。



あの方は容赦しない。



そういう甘さがないから、協力した。



きっと、本当にこれが最後だ。



「では、兄上。
私は明日が早いので失礼します。」



弟は会心の笑みでその場を去った。



子州に向かうのだ。




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