月物語 ~黒き者たちの宴~



「心辺りがあるわ。」



礼の言葉に、まだ苦しそうな雉雀が目だけを向けた。



――― 声 ―――



なんとなく、感じていた。



誰と問いながらも、あの声は飛燕なのではないかと。



「そうか。
ならば、夢も?」



「なぜそれを知っているの。」



「それは大変危険な夢じゃ。」



「嘘よ。
劉太常は、もう大丈夫と言っていたわ。」


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