月物語 ~黒き者たちの宴~
「どうやら、縊死なされたようです。」
「縊死、だと?」
「何故?
絞殺ではないのか?」
「いいえ。おそらくご自分で―――」
「そんなはずはない!」
礼は否定した。
医官たちは光燐をちらりと見た。
光燐はそっぽを向いている。
どこかで、違う情報が紛れだのだろう。
「一華官にあそこまでとは。」
「彼女も雉院と同じか。」
その様子をみていた医官たちは、口々に囁いたのだった。
メニュー