月物語 ~黒き者たちの宴~
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「あなたは…」
声の主は、劉巾だった。
―宋春のやろう、何考えてやがる。
俺に気付いときながら。
劉巾の武術は本当に人並だ。
一方、宋春は、かなりの使い手であったため、気配に気づかないわけがないのである。
「おい、お前ら、何でわざわざこんなことした?」
「はっ?」
礼は、わけがわからないというような顔をしている。
「王じゃない。
宋春と、“王の中に入ってるあんた”」
「なぜ、それを…」
礼は、心底驚いた。