月物語 ~黒き者たちの宴~



花梨が迎えに来た。



武則天が待つ部屋へ向かう。



今日でここの生活ともおさらばだ。



いよいよ王になるのだという事実に、自然と笑みがこぼれる。



花梨に連れられて通る回廊は初めての場所だった。



魔法か、魔除けか、飾りかわからない模様が、壁を埋め尽くしていた。



花梨は一つの大きな扉の前で止まった。



どうやらここがそうらしい。



次女たちによって、扉が開かれた。



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