月物語 ~黒き者たちの宴~
思わず叫んだ。
慌て、ドアの外で待機していた衛兵たちが飛び込んできた。
何ともない様子に、衛兵たちは戸惑う。
すぐに、彩夏によって下げられた。
「主上、申し訳ありません。
知っているものだとばかり…」
鏡に映った礼は、まったくの別人だった。
礼と同じく真っ黒な長い髪で、切れ長の瞳が印象的だった。
誰かに似ていると思ったが、そんなことよりと、勢いよく立ち上がった。
小柄な礼とは逆に、すらりと背が高く、細身の女性の身体だった。