ふたりの恋
あたしは目的地に着くまで繋がれた手に神経を集中していた。
男の子の手って、関節が太くて、大きくて・・繋いでるだけで安心できるんだ・・・
京真の手はとても温かい。
あたしの学校から電車で2駅行った所の駅前のお店に着く。
喫茶店・・・なのか、なんなのかわからないお店。
高校生が行くような雰囲気ではなく、どちらかというと、年配の方が出入りしそうなお店だった。
「着いた。入って?」
「う、うん。」
重いドアを開けると、中は薄暗い雰囲気で。
ぼんやりあちこちにオレンジ色の灯りが点いている。
目が慣れてくると、壁一面に漫画が並べられている事に気付く。
そして、BGMはジャズ。
店の中に入り、ぐるっと一面を見たところで、
「京真!!」と、京真を呼ぶ声が聞こえた。
「わりぃ!遅くなった!!」
京真は、あたしの手を握ったままその声の主の方へあたしを連れて行く。
「おぉ?この子が例のリサっち??」
これまた、京真に負けないくらいのイケメン君があたしを上から下まで見る。
「そ。こいつがりさね。・・でコイツが・・ 「俺は、山井恭介!京真と同じクラスね。よろしくリサっち♪」
山井君はそう言うと、あたしに軽くハグをした。
「ひゃっっ!」 あたしは後ずさる。
「リサっち、なんか、新せーーーん♪そういうの俺的にはたまんないかも♪」
山井君はにっこり笑う。
「おい!恭介!!りさに手ぇだすなよ?わかってるか?!」
「プッ!!京真、そうムキになんなって♪」