ふたりの恋


「京真ぁ、久々にシヨ♪」



さっきから俺の右側でくねくね纏わりついてくる女がウゼェ。



誰、コイツ。



顔はなんとなくわかるけど、名前知らねぇし。



前にヤッタ女だろうけど・・興味わかねぇから記憶にもない。



こういうの今頃後悔すんだよなぁ・・・



すぐに股開くような女つかまえて、適当に腰振って。腰振りながら「名前なに?」って聞いて。イッた瞬間、そういう女の名前を記憶から消去。



情けねぇ・・・俺。






ふとテーブルの上の携帯を見ると、メール受信を知らせる点滅。



りさ??



右手は女で塞がれてるから、左手で携帯を開く。



・・・りさじゃねぇし。



なんでメール入れない??



まだ恭介といる??



何してんだよ・・・??





携帯を閉じてテーブルの上に放り投げる。



・・と同時に店の入り口から恭介が入ってきた。






「ただ~いま♪」



「お?恭介?!リサっちは??」



俺が聞きたいことをヒロトが聞く。



「あぁ、リサなら帰ったよ?なんか用事思い出したとかで。」



《リサ》て呼び捨てかよ・・・




「ふーーーん。残念・・・ってか、恭介、リサっち、彼女なんだ??」


ケンタはわざとらしくニヤっと笑って俺を見ながら言った。



「さぁね??」



恭介も俺をチラっと見ながら答えた。







「アホらし・・・おい、行くぞ」



俺は、纏わりつく女の腕を掴んで立ち上がった。



「京真?!帰んの??」


三人が一斉に俺を見る。




いちいちめんどくせぇ・・・




「コイツで軽く出してから帰るわ」






俺はそのままその女をトイレに連れ込んだ。



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