ふたりの恋
めちゃくちゃ広いリビングに通されて、あたしは棒立ちになる。
「あ、適当に座って?」
「う・・うん・・・」
適当にって言われても・・とりあえずあたしはソファーの端にチョコンと座った。
「コーヒーでいい?」
「う・・うん・・・」
広田くんはそう言うとキッチンに入って行った。
何かめちゃくちゃ緊張するんですけど。
あたしはぐるっと部屋を見渡す。
生活観が・・ない。
家具とか見る限り・・一人暮らしな訳ではなさそうだけど・・。
「はい。砂糖とミルクは自分でやって」
目の前にコーヒーカップが置かれる。
「あ、ありがと・・」
って。お礼言う必要ないよね・・・勝手に連れてこられてるんだし。
広田くんはあたしと少し距離を置いて、ソファーに座った。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙・・・
とにかく、どういうことか聞かなくちゃいけない。
でも・・・広田くんを見て話す勇気がない。
すると、広田くんが口を開いた。
「あのさぁ、昨日約束したことだけど何で守れないの?」
「・・約束?」
「俺、メールとかないと淋しいタイプだからって言っただろ?」
「あ・・・はぁ・・・」
「これからはちゃんとしてくんない?じゃないと毎日りさの学校いくし?」
「えぇぇぇぇ!!それはやめて!!」
「・・そんなに拒否られるのも傷つくけど」
広田くんはコーヒーカップを口につけながらチラっと横目であたしを見る。
「あの・・・どうしてあたしの学校わかったの?」
「は?制服見たらどこの学校か・・くらいわかんじゃん」
「そ・・そうなんだ?」
・・本題・・ちゃんと聞かなきゃ・・