雨のち晴




じりじり暑い、夏本番。


球技大会も無事終わり、


終業式を迎え、3日前から夏休み。


というわけで、


最近ずっとごろごろ生活。


夏休み3日目の朝、


起きて携帯を見てみると。


恵衣からのメール。


開いて見ると、


本当にごめん。という文字。


ごめん?


何のこと?


そう思っていると、


急に携帯が震え。


知らない番号からの着信。





「もし…もし、」




恐る恐る出てみると。


予想もしなかった。





『朱里~!久しぶり!』




諒司先輩からだった。




「え、何で…」




『恵衣ちゃんに聞いた!あ、でも恵衣ちゃんは悪くないから!』





あ、そういうこと。


だからごめんなのか。





「別にいいですけど。何か用ですか?」




『遊びに行こう。海にでも!』




「行きません。絶対行きませんから」




『じゃあせめてアドレス、教えて』





初めは、こんな人と


関わりたくないと思った。





「えー、1回しか言いませんから。よく聞いててくださいね?」





絶対最低な人だと思った。


女の子なんてたくさんいて、


あたしたちと絡むのも絶対


遊んでるだけだと。


そう思っていた。





「初めは、朱里ってローマ字で。それから、」




『朱里、待って。早い早いっ』





だけど何だか、


悪い人じゃないんだなって。


そう思ったのは、


いつだっただろう。






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