万華鏡


あの頃からトロフィーなんてあったかなあ…?

そう思って一番大きなトロフィーの台座に貼ってあるプレートを覗き込んだ。

合気道…大会。優勝…。

え…千尋って合気道なんかやってたの…?

丁度そこへお茶を入れたおばさんが来た。

「お待たせ。どうぞ。」

おばさんに促されソファーに戻った。

「理佳子ちゃん。綺麗になったわねぇ。全然わからなかったわよ。元気だった?」

「はい。お陰さまで…。両親も元気でいます。おばさんもお元気そうでよかったです。おじさんは?」

「うん。元気よ。」

「おばさん。あのトロフィーどうしたの?千尋って合気道習ってたの?」

「ああ、あれ?凄いでしょう。習い始めたのはここに越してからなの。」

「へー。武術系統は苦手だと思ってた。」




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