おもちゃのユビワ
「もしもしナオ?紗季だけど、どうだった?」



紗季からの電話に出たナオは今にも泣きそうだった。



「紗季ぃ~、ふぇーん。」



「ちょっとちょっとどうしたのよ。拓巳さん来なかったの?」



「来たけど、拓兄ちゃん、小池さんのお姉さんと仲良くしてた。」


「小池さんて、同じクラスの小池さんの事?」



「うん…」



「どういうこと?」



「私が行ったら、拓兄ちゃんと小池さんと小池さんのお姉さんが一緒にいたの。」



「何で小池さんがいるの?」



「小池さんはマネージャーだもん。」



「そうなの?じゃ、小池さんがお姉さんと来て、拓巳さんも一緒にいたんだ。」



「小池さんはそう言ってた。」



「で?何でナオがへこんでるの?」



「だって、拓兄ちゃんスゴく仲良くしゃべってんだもん。」



「へー、弟と大違いね。」



「うん、拓兄ちゃんは秀二とは正反対。女友達多いし…」



「あらら、そうなんだ。で、小池さんのお姉さんと仲良くしゃべってたのを見て、へこんでんのね。」



「それもあるけど…」


「なに?まだあるの?」



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