おもちゃのユビワ
高2の秋
秀二が部活に明け暮れた夏休みも終わろうとしていた。



ナオのアルバイトも一週間前に終わっていた。



ナオはこの夏休みに、大きな心の変化があった。



夏休み前に最後に拓巳に会った日、秀二の駅伝大会での出来事を機に背伸びせず、拓巳が振り向いてくれるまで待つことを決めた。



この夏休みは拓巳がいない初めての夏休みだったが、不思議と拓巳のことを考えている日は少なかった。



アルバイトの忙しさがそうさせたのか、あるいは高木の登場がそうさせたのか。



ナオは高木のことを憎めない奴と言いながら、仲良くなっていったのは確かだ。



ナオも今までにない積極的な高木のアプローチに悪い気がしなかった。



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