おもちゃのユビワ
ナオはグラウンドのサッカーゴールのそばの木の下で崩れるように座り込んでいた。



涙が次から次にこぼれ落ちていく。持っていたハンカチなど何の役にも立たない。



ひとしきり泣いたあと、ナオは我に帰った。



(急に用事があるなんて、下手なうそ…)



拓巳との別れ際の会話が思い出され、赤面した。



(拓兄ちゃんに私の気持ちバレちゃったよね…)



また涙がこぼれた。



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