おもちゃのユビワ
けじめ
秀二はナオを探し、走り続けていた。聞き覚えのある声に呼び止められ、止まった。



「秀二くん!」



小池だ。一人、ジュースを片手に歩いていた。



「はぁはぁ、こ、小池…」



「どうしたの?そんなに走って。ふふ、走ってる秀二くんはいつも見てるけど、こんな汗だくの秀二くんはあんまり見ないな。」



秀二は走りっぱなしだったため、汗だくだった。汗を拭う間も惜しんで探していたのだ。



「やっぱり会えた。嬉しい。一人?」



秀二は息を整えるとハッキリとした口調で言った。



「小池、話がある。」


「話?」



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