アクアマリンの秘密【外伝】
泣きたかったわけじゃないのに…その優しい笑顔と言葉に、オレの中の何かはいとも簡単に崩壊した。




「ずっと…辛かったでしょう…?
私には…辛いことも全部分けてほしい…です。
白斗さんの心は…ずっと傷付いてきました…。
それを癒したいです…私のヒールの力はとても弱い…ですが…。でも…それでも…」




…由里香は全然分かっていない。
ヒールの力は魔力になんて左右されない。
少なくともオレにとっては。

『癒したい』
その想いだけで充分なんだ。

今までこんな風にオレの傷を自分の傷のように思ってくれる人間なんて…




「由里香の優しさは…とても似てるよ。」

「え?」

「オレの痛みを必死になって癒そうとしてくれた…ハートの使い手に。」

「…星来様ですね…。その方は。」

「…知ってるの?」

「はい。
とても心優しく、気高い…。
まさにハートの使い手だと…椿様が仰っていましたから…。」

「…うん…。星来はとても優しいよ…。でもね…。」

「…?」



その優しさは…今…




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