アクアマリンの秘密【外伝】
「身分が気になんのか?
俺たちは同じ身分だろーが。」

「…一応、名称としてはですがね。」

「ならいいだろ。お固く話されると喋りにくいし。
大体、俺とお前は昔から何でも言い合ってたじゃねーか。」

「そんなことないですよ、『月叉様』。」

「お前に『様』付けで呼ばれると寒気がする。」

「失礼ですね、随分と。」

「いいから口調を何とかしろ、緑志。」



この口調で話すときの月叉が面白くて、僕は結構気に入ってるんだけどな…
なんて思いながら、月叉の不機嫌さが頂点に達する前に戻さなきゃとも思っている。
一応、僕は口調を戻すことに決めた。



「身分は同じでもないよ。
アクアマリンの皇子は特別だ。」

「んなことねぇよ。
ま、とりあえず蒼刃よりは俺の方が出来た皇子だけどな。」

「だから…蒼刃をからかうのはほどほどに…。」

「っとに…お前ら本当に双子か?
似てねぇよな…顔もだけど、性格なんか真逆だ。」

「…分かってるよ、そんなことは。」



二卵生なんだから、顔は似てない。
まぁ…ここまで性格が違うのもなぁとは思う時もあるけど。


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