失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
ドアを開いて最初に聞こえてきたのは、
「大翔遅い。シュークリーム待ちくたびれた……って誰?」
まぁ、そうなりますよね。
大翔と呼ばれて、あたしをここまで連れていた張本人は、
あたしの横に立って、あたしの手首を持って上げた。
「道で面白いやつ拾ってきた」
あたしは犬ではない。
「シュークリームは?」
スルーか、
スルーなのか?
そんなにシュークリーム食べたかったのか?
「すいません。あたしがぶつかってしまって、落ちちゃいました」
あたしの謝罪を聞いたとたん、さっきまでシュークリーム言ってた男の眉間に皺が寄った。
これはやばい。