失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



コンビニにつくと、さっさとシュークリームを買って帰ろう。



と思ったのが間違いだった。



――こ、こいつ……



「どれもうまそうだなぁー」



よし、とりあえずヤンキーやめろ。



コンビニのケーキコーナー見て悩まないでください。


「……早く」


「おぅ!」



このやりとりはすでに三回目。



陽がケーキを見始めて、約十分。


「全部うまそうだなぁー」


さっき聞いたぁぁぁぁあぁあ!




最初に選んでしまったシュークリームはすでに購入済み。



あとは陽待ち。



「もう全部かっちゃいなよ」


「ハァー」


ため息つかれたんですけど。
イラッってしたんですけど。
ぶっ飛ばしてもいいですか?



「これだから金持ちは……」


なんだこのめんどくさい奴は。



「選んで、あきらめた奴があるからいいんだろ?」


「……………うん、そうだね。でもそろそろ帰らないとシュークリームがおいしくなくなるよ?」


「よし、帰ろうか」



陽に勝った気がする。




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