失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿
翌日、目が覚めて携帯で時間を確認した亜美はびっくりした。
「9時だ―…」
どんなに疲れていても、7時以降に起きた事はなかったし、寝過ごす前に佐伯さんか誰かが必ず起こしに来てくれていた。
ってか目覚ましも設定してあるし。
その目覚ましを見れば時間は2時。
これは、完璧に電池切れてるパターンですね。
通りで最近時間遅れるなぁって思ってたわけだ。
リビングに行けば誰もいなくて、キッチンにいくと、いつもおいしい紅茶を入れてくれる吾妻さんがいた。
「あずー。みんなは?」
昔からいる吾妻さんはみんなから“あず”と呼ばれ親しまれている。
「隆さんは会社に行かれました。留衣さんは買い物にでも行かれたのでは?」
「そっか。ありがとう。申し訳ないんだけど、何か食べるものある?」
「ありますよ。あたためるだけなので、すぐにリビングにお持ちしますね」
「お願いします」
亜美はキッチンから出て、そのままリビングにむかった。
お風呂に入りたいと思ったが、食欲には勝てなかった。
何せ昨日は話ばかりでご飯をロクに食べてない。