失恋少女とヤンキーと時々お馬鹿



どれだけ泣いても、あたしが深瀬であることに変わりはない。


昔は嫌だった肩書きも、あいつらのおかげで嫌じゃなくて、誇れるものになっていた。



「お母さん、しばらく来れないや。ごめんね。ちゃんと立派になったらくるね」


弱音を吐いて、亜美は少し楽になった。


肩を張った生活に慣れていても疲れは溜まるもんで……。


「今日はちゃんとありがとうが言えたからいいの。じゃあ、行ってきます」



“いってらっしゃい”


風でもなんでもいい。



亜美は懐かしい母の声が聞こえた気がした。



実際はあり得ないのだから、きっと昔の記憶な断片かもしれないなぁ。



亜美はお墓を後にした。







その背中には迷いはなかった。







―――――――――――報告






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