キミが教えてくれたコト。
そう思ったら、自然と涙が頬をつたった。


悲しくないのに、別に泣きたいわけじゃ無いのに、どうしたんだろう・・・?


すると、いきなり体が何かに包まれた。


それが、未来の腕だと気づくのには少し時間がかかった。


「・・・えっ、み、らい?」


片言になりながらも、未来に問いかける。




「・・・ごめん。」








未来は、なんに対して未来は謝ったのだろう。


そんな疑問が生まれるくらい弱々しい声だった。


私の涙は驚きすぎて、すでに止まっていた。


未来も私から、ゆっくり腕を離して私の涙の跡を優しく拭いてくれた。


沈黙の後、口を開いたのは未来だった。


「俺、どうかしてた。ごめん」


「・・・」


「もう、いきなりあんな事しないから。」


「・・・」


別に未来が嫌だったわけじゃない。


少し驚いただけで、嫌じゃなかった。


それなのに、どうして私は謝られてるのだろう。


嫌じゃなかったよってちゃんと言わなきゃ、


未来が誤解する前に言わなきゃ、


・・・でも、


「琴美、もうすぐ花火だぞ。一緒に見るか。」


未来がそうやって笑うから、もう気にしてないって顔で笑うから、





言えないよ・・・。


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