プリズム

「ないとは思いますけど」

「どうかわかんないよ」

「脅迫まがいですね…大丈夫です」


そう笑いながら委員長に顔を向けると、


「さっきのいいですよの返事。覚えとくからね」


メガネの奥が光った気がした。まぁ、なることはないからいいか。



――そのときまでは確実に“ない”って思っていたんだよ?


でも、まさかあんなことになるなんて…

わたしは知る由もなかった。


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