―先生は意地悪―
先生への恋心

入学式



「入学、おめでとうございます…えー、この高校は……」



只今、入学式中です。


恒例って言っていい、校長先生の長話。



でも、私にその声はあまり届かない。


校長先生を見るんじゃなくて、私の視線の先には背の高い凄くカッコイイ男の人。


あの先生…



私は、見事に一目惚れしました。



一目惚れなんて、私は初めて。
しかも、先生に。


見た目が好きなタイプとかじゃないんだ。


ただ、何か引かれるものがある気がするの。



「話、長いよね!?」



後ろから背中をツンッとされて振り返ると、中学からの友達の痺れを切らしたかの様な声。



「もう少しの我慢、我ま……」



私が前を向き直しながら言うと、あの先生と目が合った気がする。


っていうか、目が合ってるよね?



お互い目を逸らさずに見つめ合ってる気がする。



やっぱり、カッコイイ…



「1年1組の担任の先生は…北沢先生です」



いつの間にか、担任の紹介になってたみたい。
私がキョロキョロと、その先生を探す様にしてると



「ぁ……」


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