―先生は意地悪―

届かない存在



それから、私は毎日先生に話し掛けてる…


いや、話し掛けれる様に頑張ってる。



でも、あのお昼ご飯からまともに離せてない。



朝のホームルーム中の先生は、眠たそうでそれがまた良い。



「ぉぃ…おい!」


「へ?」



片手を頬に当てて、先生に見とれてた私。

先生は、私に何か言ってたみたいなのに気付かなかった。



「お前、朝から目開けて寝てんなよ…」


「ち、違います!」



ハァって、ため息を付いて先生が言うとクラスの子達から笑われた。



「体育委員頼むな?」


「ぇ?何をですか?」


「球技大会!!」



私に葵衣が後ろから教えてくれた。
あぁ…って私が呟くと



「鼻血、出してくれんなよ」


「ヴッッ…」



先生はそう一言言うと、教室を出て行った。



「葵衣、球技大会って…体育委員何するの?」


「本当に何も聞いてなかったのね…。先生と一緒に体育館で今日の放課後準備らしいよ?」



チャンス…先生と話せるチャンスだよ!

私は嬉しくて、ニッて笑っちゃった。


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