甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~
煙をもう一度吐き出しながら、原口主任があたしをじっと見詰めた。
「お前が言いたいのは、小林と付き合っていないってことだよな?」
「はい」
「じゃ、お前フリーなんだ?」
「……ええ。まあ、そうなりますね」
ん?
何であたしの話になってるの?
「で、誰にも言わないってさ、何を?」
「主任、それをあたしに言わせるんですか!」
「言わなきゃ、わかんないだろ?」
孝太を見ると困惑した顔で黙りこんでいた。
「その、なんと言うか、秘密の関係?いや、新しい恋?兎に角、わたしが言いたいのは、邪魔はしませんってことです」
「野上それは、どういうことなんだ?」
「つまり、ある意味不倫?になるんですよね。いや、変な意味で言っているわけじゃなくて、その」
『お待たせしました~』
会話を遮るように、頼んでいた料理が次々と運ばれてきて、この話は中途半端のまま途切れてしまった。