甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


お願い!何も言わないで!

必死の願いを込めて口を塞いだあたしの手は、いとも簡単に孝太に剥がされてしまった。

「俺、センパイみたいな人は初めてなんですよ。
キスを拒まれたのも初めて、口を手で塞がれたのも初めて。一体、何者なんですか」

孝太は「まったく気になってしょうがない」と言って笑った。


そして、またキスをする。

そのキスは段々と深くなって、あたしの思考能力を奪っていく。

結局のところ、あたしは孝太にキスをされている意味がわからない。


いつもそう。

何度キスされても、どんなキスをされても……


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