甘い君の唇にキス~恋の秘密は会議室で~


視界が反転して、あたしは孝太の顔だけを見ていた。

押し倒された事実を理解するまで数秒かかって。


「きゃっ」

「何が『きゃっ』ですか。マジでウケる」

孝太が小さく笑うと、その端整な顔が近付いてきて。

柔らかい感触が唇に伝わる。

少しアルコールの匂いがする孝太の唇が、わざと音を立てるように何度もキスをする。


「んんんっ……」

何なのよって言うか、何で? 何であたし?

顔を何とか逸らして、孝太の唇から逃げた。


「ちょっと止めてよ!何考えてんの!?」

「何って、わかりませんか?」

「え?」


いや、聞きたくない。

何か言いかけた孝太の口を手で塞いだ。


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