奈那子が死んだ

家族会議




 「これからのことについてなんだが…」



 親父はそういいながらポリポリと顎をかいている。



 「え、うちで引き取るんじゃないのか?」



 俺が問うと親父はうーんとうなった。



 「うちは全然構わないんだが…そうすると弥英ちゃん、転校しなきゃならないだろう?」

 「そうだよな…高校もあと1年だけだし」

 「それに友達と離れるのはつらいだろう?」



 親父がそういうと弥英ちゃん以外がうーんとうなりだす。

 確かに友達と離れるのはかわいそうだけど、高校生の一人暮らしはなぁ…



 「やっぱり私が弥英ちゃんと住む!」



 ばんと机をたたき由宇が立ち上がる。



 「由宇、あんたの就職先は弥英ちゃんの学校から遠いでしょ」

 「う~…がんばれば…」

 「却下」



 母さんの力強い否定に由宇はがっくりとうなだれる。



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