奈那子が死んだ
ドキドキ大作戦!
ぱかっとお弁当箱を開けるときれいな彩のおいしそうなおかずたちが顔を出す。
そこに昨日好きだと言ったハンバーグが入っていることに気が付き、思わず顔がゆるむ。
「弥英~、顔ゆるゆるなんですけど」
ぶにっと右ほほが誰かにつつかれた。
ふと横を見るとそこには高校入学時から仲のいい橘優香理がいた。
「そんなに愛しの和くんのお弁当がうれしいですか~」
なんてケタケタ笑いながらカフェオレを飲んでいる。
優香理は私が小さいころから和くんを想い続けていることを知っている。
「うるさいな~、和くんの料理はほんとにほんとにおいしいの」
うふうふと笑いながらお弁当の写メを取る。
「じゃあ、なんかちょうだいよ」
「いーや!…ってあぁ!」
「うっわ、このハンバーグ超うまい!!」
一番楽しみにしていたハンバーグが忽然と姿を消した。
声のしたほうを見てみるとそこには小学校からの腐れ縁である深宮泰地がいた。
「たーいーちーぃい!!」
「そんな怒るなよ、たった一個じゃねぇかよ」
ふんと偉そうにする泰地に余計に腹が立つ。