小鳥と恋愛小説家
「……………夢じゃないよ………?」
握りしめた小さな手にそっと唇を寄せて…………キスを落とす。
「……………え……?」
ピクリと指先を震わして、小鳥はまた大きく瞳を見開いた。
「夢……………でしょ?
だ…だってここあたしの部屋で…………っ」
「うん、小鳥に仁科さんから預かったプリント持ってきた。
昨日のことも謝りたくて………。」
そう言ってプリントを取り出し、手渡した。
「…………う…嘘ぉっ!!?
だって、あた…あたし…………今、パジャマじゃん…………。」
小鳥はそう言いながら自分に視線を落とす。
「あ、うん。
………可愛いね?」
袖が大きめないちご模様の白いパジャマは小鳥によく似合ってて俺は笑顔をこぼした。
「ぎゃーーーっ!!!
いや…っ!夢……!!夢だ…!!
こんなパジャマ姿でカナくんに逢うとかないないない…………!!」
「アハハ………!」
「……………!?」
頭を抱えてないを繰り返す小鳥が可笑しくて…………いつもの元気な小鳥に逢えて
俺は嬉しくて堪らなかった。