小鳥と恋愛小説家




もう十分だってくらい泣いたのに…これじゃあ明日目が腫れちゃう………。



ハンカチを押し当てながらそんなことになったら学校休んでやる!なんて思った。



はぁ…と息をついた時だった―――







「…………まぁだ泣いてんのかよ。」



「…………!!」



呆れたような声音に勢いよく振り返った。



そこには



夕日を背に―――大河が立っていた。



「…………泣くなよ。」



「…………っ!」



逆光のせいで見えない顔がゆっくりと近づいて見えてくる………。



心配でもしてくれたかと思っていたその顔は――――







「…………泣くなよ。どブスがさらにどブスになんぞ。」



「…………。」




――――口調同様に180度心配と真逆の呆れ顔だった。










< 330 / 344 >

この作品をシェア

pagetop